“FXで儲かるのはほんの一握り”、これが一般的な考え方です。
確かに金融先物取引業協会が発表している統計データを見ると、実に40%ものFXトレーダーが損をしています。
しかし一方で、残りの60%は少なからず利益を残していることも事実です。
FXで利益を残し、さらには「FXは儲かる」と言える側のトレーダーになるためにも、FXで稼ぎやすいおすすめ通貨ペアや利益を残しやすい低リスクトレード方法をチェックしていきましょう。
また、記事の後半ではFX初心者がハマりやすい落とし穴も解説しているため、後悔のないよう参考にしてください。
FXは儲かるの?【1000人を調査】
FXトレーダー1,000人を対象に実施されたアンケート調査によると、約60%が年間収支で利益が残る結果となっています。
ただし、割合として最も大きい35.6%に当たるトレーダーの方の利益金額は1円~20万円と大きく勝てている訳ではありませんでした。
また、次いで大きな割合を占めるのは全体の28.4%に当たる「収支が0円からマイナス20万円」の方々。勝てている訳ではなく大きな負けを喫している訳でもありませんが、資金を減らしてしまう結果になっています。
FXが儲かる確率
そもそもFXが儲かる確率はどれぐらいかというと、統計上では利益が出る確率は60%になります。
ただし「儲かる」の観点で見ると、利益金額ごとに以下の表のような割合になります。
利益 | 割合 |
20万円以上〜50万円未満 | 10.1% |
50万円以上〜100万円未満 | 7.1% |
100万円以上 | 7.5% |
年間で100万円以上の利益が稼げているのは7.5%。おおよそ13人に1人の割合で年間100万円以上儲かっいます。
もちろん資金額によって100万円の利益が大勝ちと言えるトレーダーもいれば、資金のうちのほんのわずかな増分というトレーダーもいるでしょう。
いずれにせよ13人のうちの1人としてFXで儲かるトレーダーになるには、勝ち方を知り、大きく負けない戦い方を知る必要があります。
FXの利益率の目安は?
まず前提としてFXでは利益率ばかりに囚われてしまうと危険です。
損失が出た場合に目安とする利益率まで取り返そうとしてハイレバレッジで取引した結果、さらに損失を出してしまうなど精神的な阻害要因になりかねません。
上記を踏まえた上で長期的な目線で目安としたいのは、年率で何%を目指すかという数字です。
FXは短期トレーダーが多いためどうしても短期目線で利益率を計算しがちですが、他の投資の場合を考えてみましょう。
投資信託や株の配当投資では年率3%でも良い方と言われています。年率5%の利益率が出せれば高い水準です。
FXではレバレッジを活用できるため可能性として他の投資方法より高い利益率を目指すことはできますが、資金の◯倍に増やすなど初めから高すぎる目標設定は避けましょう。
仮に資金を倍に増やすとしても「まずは最初の1年間で2倍に増やす。そのために毎月何%増やせばOK」というように長期目線での運用が重要です。
FXが儲からない仕組みと言われる理由は?
一般的に、FXは儲からないと言われがちです。
これにはFX取引の仕組みやFXを取り巻く環境に理由があり、以下3つです。
- FXがゼロサムゲームで初心者は厳しいから
- FXの詐欺事件が横行しているから
- 相場分析をせずにギャンブル感覚でトレードをする人が多いから
FXがゼロサムゲームで初心者は厳しいから
まず1つ目の理由はFXがゼロサムゲームであり、初心者が初めから勝つには難しいからです。
ゼロサムゲームとは1つの取引で利益を得る人がいれば、必ず同じ金額だけ損失を出す人がいるという考え方です。取引全体の利益と損失を合計(サム)するとゼロになることから名付けられています。
一方で株式投資はプラスサムゲームと呼ばれ、理論上では投資参加者が全員利益を得ることもできる仕組みです。
その点でFXでは半数が損をするとなると、初心者が儲かるのは難しいという見方もできます。
トレードの練習や勉強を重ねて脱初心者をしてからが勝負になります。
FXの詐欺事件が横行しているから
FXが儲からない仕組みと言われる理由の2つ目は、FXに関連する詐欺事件からFXそのものに悪いイメージが付いているからです。
FX会社や自動売買ツールを提供する業者の中には、初めから顧客の資金を持ち逃げするつもりで勧誘を行なっている悪徳業者もいます。
こうした事件が多発していることから国民生活センターからも警告が発出されています。
インターネット広告を見て、国内の業者からFX取引の自動売買ソフト等(注)を購入後、海外の口座に入金して取引を開始したというケースが多く、「利益が出ているはずなのに、業者に取引口座からの出金を求めても応じてもらえない」といったトラブルが目立っている。
引用:国民生活センター
FX会社を利用する際には、金融庁に登録した上で営業している業者か判断するためにホームページの最下部を確認しましょう。
登録業者には「金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第〇〇〇〇号」というような表示があるはずです。
相場分析をせずにギャンブル感覚でトレードをする人が多いから
FXが儲からない仕組みと言われる理由の3つ目は、FXを一か八かのギャンブルと混同している人が多いからです。
FXはレバレッジを使えるため運よく当たれば儲かるものと考える人も少なくありません。
実のところFXをギャンブルを考える人のほとんどが損失を出して退場します。仮に最初は勝てても取引を繰り返していけば損失の方が膨らんでいくものです。
FXを運任せにしないためには国の政治経済動向を分析する「ファンダメンタルズ分析」やチャートの傾向からこれからの値動きを予想する「テクニカル分析」など、根拠に基づいた売買が必要不可欠です。
FX初心者にもおすすめの通貨ペア3選
FX初心者でも稼ぎやすいおすすめ通貨ペアは以下の3つです。
- ドル/円
- ポンド/円
- ユーロ/円
ドル/円
ドル/円は世界で2番目に多く取引されている通貨ペアで、日本人トレーダーの間では最も取引量が多いです。
取引量が多いことから値動きが安定しており、初心者でも急な相場変動に慌てることが少ないでしょう。
また、2023年はアメリカの利下げ、日本の利上げが開始される可能性が高まっており、2022年のドル高・円安相場から一転、ドル安・円高相場になるとの見込みが強いです。
ドル/円ショートで利益を狙える相場になりそうです。
ポンド/円
ポンドは暴れ馬と呼ばれるほど値動きの激しい通貨です。短期間でも広い値幅が取りやすく、デイトレードやスキャルピングトレーダーに人気です。
少ない資金や低いレバレッジでもドル円の2,3倍の利益が狙えるため、FXで儲かる通貨と言えばポンド/円と言えるでしょう。
また、トレンドが発生しやすく相場の流れにそのまま乗っていけば稼げるシーンも多いです。
イギリスと日本の通貨のため、政治経済の動向が追いやすいのもおすすめポイントです。
ユーロ/円
ユーロ/円はドル円についでスプレッドが狭い通貨ペアです。
値動きが比較的落ち着いており、テクニカル分析通りに動きやすいのもポイントです。
EUの経済状況が低迷しており、今後ユーロの価値が落ちていくとの予想が優勢です。ユーロ/円は長期的にショートしておけば利益が狙いやすいでしょう。
FX初心者がリスクを抑えて儲けるトレード方法4選
FX初心者は初めはなるべくリスクを抑えてトレードすることで、将来的な大きな利益に繋がります。
そこで低リスクなトレード方法を4種類ご紹介していきます。
長期トレード | デイトレード | スイングトレード | スワップポイント | |
1回のトレード期間 | 半年から数年 | 数十分から数時間 | 数日から数週間 | 数ヶ月〜数年 |
狙うpips幅 | 500〜2,000pips | 10〜200pips | 100〜500pips | 0 |
長期トレード
長期トレードは半年から数年かけてトレードを完結させる取引方法です。長期スパンでトレードするため、狙う値幅は当然広くなります。
その分レバレッジはなるべく下げて、仮に突発的な相場変動があってもロスカットされない資金管理が必要です。
デイトレード
デイトレードはポジションを持ったその日のうちに決済まで完了させる取引方法です。
日を跨がないため、急な相場変動の影響を受けづらい上、時間的制約があるため含み損を限定できるメリットがあります。
その分、その日はどちらに為替が動くかを都度分析する必要があるため、ある程度のスキルが求められます。
FX初心者はレバレッジを下げてデイトレードをしていれば、分析の癖がつくため上達が早いです。
スイングトレード
スイングトレードは数日から数週間で決済する取引方法です。
短期での値幅を狙いつつ、日をまたぐためスワップポイントも考慮します。
日頃忙しくてあまりチャートを見る時間が取れない方でも中期的な目線でポジションを持ち利益を狙える点が魅力です。
重要な経済指標発表による相場乱高下の影響を受けないように、指標前にポジションクローズする方が多いのも特徴の1つです。
スワップポイント
スワップポイントは日をまたいでポジションを持っていた際に、通貨ペアの通貨同士の金利差を調整するための損益です。
プラススワップとマイナススワップの2種類があり、プラスなら利益に、マイナスなら損失として含み損益と合算されます。
プラススワップの通貨ペアを狙ってポジションを保有していれば、スワップポイントだけを貯めて儲けることもできます。
ただし値動きによる為替損益も忘れないようにしましょう。
FXで儲からない人が陥る落とし穴3選
FXは儲からないと言われがちですが、そんな方が躓きがちな落とし穴にはパターンがあります。
ありがちな考え方の間違いを認識し、FXとの正しい向き合い方を学んでいきましょう。
FXでよくある落とし穴
- 必ず儲かる手法があると思っている
- 自動売買を使うと楽に儲けられると思っている
- 副業感覚で始めて手軽に儲けられると思っている
必ず儲かる手法があると思っている
FXで勝率100%の手法があると思っていたら、それは間違いです。
相場の世界に100%はありません。ファンダメンタルズ分析もテクニカル分析も、過去の相場の傾向からどちらに動く可能性が高いかを示しているだけです。
SNSなどでは必ず勝てる手法やツールがあると行って勧誘して投資金を騙し取られる詐欺が横行しています。
「必ず儲かる」の謳い文句がある時点で怪しいものと判断し、距離を取るようにしましょう。
自動売買を使うと楽に儲けられると思っている
FX初心者でも自動売買なら楽に儲けられると思っていれば、それは間違いです。
自動売買はあらかじめ設定した売買ルールに沿って自動で取引してくれるサービスですが、勝てる売買ルールを保ち続けるには相場に合わせたルールの調整が必要です。
つまり、FXの自動売買で勝ち続けるには相場の知識とそれに合わせた売買ルールの設定ができるスキルの両方が求められます。
副業感覚で始めて手軽に儲けられると思っている
副業感覚の片手間で何となくトレードしていれば儲けられると思っていたら、それは間違いです。
もちろん、副業のFXでも稼ぐことはできますが、勝てるようになるまでにはそれなりの勉強と経験が必要になります。
買いか売りのどちらか二択を当てれば儲かると思わず、取引の根拠を集めて高い確率で予想を当てられるように時間と労力を割くことが大切です。
FXは他の投資と比べて儲かるの?
FXが儲かる投資方法か判断するためには、他の投資方法との比較が分かりやすいでしょう。
FXと株を比較
まずは比較されやすいFXと株式投資です。
メリット | デメリット | |
FX | 最大25倍のレバレッジ少額から始められる | ゼロサムゲーム利益を稼げる人と損失を出す人が半々 |
株 | プラスサムゲーム企業成長が利益になるため利益を稼げる人が多い | レバレッジは最大3倍ある程度まとまった資金が必要 |
稼ぎやすさで言えば株式投資の方が高いでしょう。
プラスサムゲームのため、理論上では投資参加者の全員が利益を稼ぐこともできます。
一方で、FXは儲かる人は儲かる投資方法です。
最大レバレッジ25倍で株式投資の約8倍もの資金効率で取引可能です。
ただし、ゼロサムゲームの特性上、利益を稼げた人が1人いれば損失を出した人も必ず1人いることになります。
損失を出す側にならないためにも、勉強と経験を積み上げて脱初心者を果たしましょう。
FXと仮想通貨を比較
次に近年投資対象として注目されている仮想通貨とFXを比較します。
メリット | デメリット | |
FX | 取引する通貨ペアによってボラティリティは選べる | 大きく稼ぐにはトレードの積み重ねが必要 |
仮想通貨 | 保有しているだけで短期で数倍にも化ける可能性がある | 値動きが不安定国の扱い次第で暴落リスクあり |
仮想通貨は保有しているだけで数十倍〜数百倍以上に価値が上がったことで一気に世間で取り沙汰されました。
現在ではかつてほどの勢いはありませんが、仮想通貨市場にとってプラスのニュースが流れればそれだけで数十%価格が上昇することもあります。
しかし、それは逆も然りです。アメリカや日本国内での仮想通貨に対する法律の扱いが変わるだけで暴落した事例もあるなどボラティリティが非常に高いです。
仮想通貨の価格変動幅の大きさは大きなメリットでもあり、デメリットでもあるということです。
その点FXは取引する通貨ペアや銘柄の選び方である程度ボラティリティは選べます。
ドル/円なら安定した値動きであり、ポンド/円なら激しく変動します。自分の好きなようにリスクコントロールできるのが魅力です。
一方で短期で大きく儲かるには短期トレードを何度もする必要があり、保有しているだけでは大きな利益は狙いづらいです。
日々のトレードを苦にならない方はFXにチャレンジしてみるのがおすすめです。
リスクを抑えて儲かるFXの始め方3ステップ
いきなり高いリスクをとって大きな損失を出し、相場を退場してしまわないように低リスクで始める方法をチェックしておきましょう。
慎重になりすぎかな?と思うぐらい低リスクを徹底した方が実は儲かるFXのやり方であることもあります。
- デモトレードができるFX会社を探す
- デモトレードができるFX会社で口座開設する
- 証拠金を入金して取引を始める
1.デモトレードができるFX会社を探す
まずはデモトレードで練習することが大切です。
FX取引のやり方や損益が出る仕組み、スプレッドの考え方や取引手法などデモトレードから学べることが沢山あります。
FX会社によってはデモトレードができない場合もあるため、事前にデモトレードができる会社か確認しましょう。
2.デモトレードができるFX会社で口座開設する
デモトレードができる会社を見つけたら、実際に口座開設していきます。
デモトレードを経験していく中で、資金額と取引ロット数のちょうど良い数値を自分の中で見つけられることが最低ゴールラインになります。
どれぐらいのレバレッジが自分にとって合うのかは人によって異なるからです。
これはトレード中の精神状態や私生活への影響度合いを考慮しながら決定していくと良いでしょう。
3.証拠金を入金して取引を始める
デモトレードで十分に経験を積んだら、実際に口座に入金してリアルマネーで取引を始めていきましょう。
デモトレードで設定した資金額とロット数のルールは守りつつ、デモトレード通りの取引を心がけます。
損失が続くとどうしても取り返そうとしてロットを増やしてしまいますが、安定したメンタルを保って自分の取引ルールに従うことが大切です。
FXについてよくある質問
最後にFXに関して疑問が残りやすい点をまとめました。
- 国内FXと海外FXはどっちが儲かる?
- FXで儲けるためにはどんな勉強をすればいい?
- 儲けやすいFX会社はある?
国内FXと海外FXはどっちが儲かる?
海外FXには最大1,000倍ものレバレッジを利用できる口座もありますが、FX初心者のうちはリスクばかり高くなって損をしがちです。
また、海外FX業者の中には悪徳業者も紛れており、出金拒否が起きるリスクもあります。
まずは国内のFX会社を利用することをおすすめします。
FXで儲けるためにはどんな勉強をすればいい?
まずは本を読んでFXの基本の仕組みや経済の仕組みを勉強しましょう。
基本が身についたらデモトレードなどを利用して実際に取引してみることが大切です。
知識のインプットだけではメンタルコントロールなど中々上達しない部分もあります。
インプットとアウトプット(実践)のバランスを心がけてみて下さい。
儲けやすいFX会社はある?
儲けやすいFX会社はスプレッド、つまり取引コストが安いところです。
スプレッドが狭いFX会社の代表例にはLIGHT FXがあります。
他のFX会社と比較しても主要通貨ペアのスプレッドが業界随一に狭いと評判です。