FXはやめとけと人から言われたり、そんな主張を目にしたりすることがある方も少なくないでしょう。特に大学生は親から止められる場合もあると思います。
確かにFXには少なからずリスクがありますが、そのリスクを認識した上でうまくコントロールすることで相応の利益が狙える投資方法です。
FXはやめとけと言われる根拠となるリスクや、そのリスクを抑えながらFXでうまく稼ぐ取引方法を見ていきましょう。
- FXはやめとけと言われる理由や株式投資との違い
- 本当に危ないFXの主なリスク4選
- FXをやっている人は稼げているのか後悔しているのか調査してみた
- FXが向いている人とやめた方がいい人の違い
- そもそもの口座選びで失敗しないためのおすすめFX口座
FXがやめとけと言われる理由
FXがやめとけと言われやすいのは主に以下の5つの理由からです。
- 必ず誰かの損失が発生するゼロサムゲームだから
- 損切りや資金管理などができず損失を出す人が多いから
- ギャンブル性が高く素人が負けやすいから
- 9割が1年以内にFXをやめていて悪い噂が流れがちだから
- FXで借金を作っている人が多いから
必ず誰かの損失が発生するゼロサムゲームだから
FXはやめとけと言われる理由1つ目は、FXがゼロサムゲームであることに起因します。
FX取引の仕組み上、利益を稼いだ人が1人いれば必ず損失を出した人も1人存在します。
これをゼロサムゲームと呼び、FX市場全体の利益と損失を足すとゼロになることを意味しています。
ゼロサムゲームの性質は株式投資とFXが異なる点の1つでもあります。
投資方法 | ゲーム理論 | 投資の仕組み |
株式投資 | プラスサムゲーム | 成長を原則としている企業に投資するため、基本的に利益や価値が生まれる仕組み。 |
FX | ゼロサムゲーム | 市場の誰かが利益を確定する注文は、もう一方の誰かが損失を確定させる注文と相殺される仕組み。 |
このため、FXは損失を出す人の割合が他の投資方法より多く、手数料を加味すればマイナスサムサムゲームになるとも言われています。
ただ、だからこそ他のトレーダーの心理を逆手に取って値動きを予想することもできるため、ゼロサムゲームだから負けやすいと言い切ることはできません。
損切りや資金管理などができず損失を出す人が多いから
FXはやめとけと言われる理由2つ目は、FX初心者ほどトレードに慣れる前に高いレバレッジを効かせすぎて損切りの判断が遅れ、許容範囲外の損失を出しやすいからです。
FXはレバレッジを活用して自己資金の最大25倍もの金額を動かすことができます。100万円の資金があれば最大2,500万円分の通貨を取引できるということです。
もちろん、運用できる金額が多ければ多いほど大きな利益を狙えますが、仮に予想に反して値動きすれば損失もそれだけ大きくなります。
しかしFX初心者のうちは楽観視しがちで仮に含み損を抱えても、どうせまた利益に戻ると考え損切りを遅らせる傾向にあります。
その結果、取り返しのつかないほど含み損が膨らんでから、ようやく損切りし大きな損失を確定させることになります。
そもそも1回の損切りが決断できないほどの損失が簡単に出てしまう高いレバレッジをかけた資金管理を避けること。そして、仮に予想に反した値動きで含み損を抱えたら潔く損切りすること。
この2つができないトレーダーが多く、損失を出しやすいためFXはやめとけと言われてしまうのです。
ハイレバレッジ取引をしたいのであれば、まずはデモトレードでどのような損失が発生するのか経験してみるのもおすすめです。
ギャンブル性が高く素人が負けやすいから
FXはやめとけと言われる理由3つ目は、FXのギャンブル性の高さです。
特にFX初心者は現在のチャートの動きを見てなんとなく上がりそう、下がりそうと判断しがちですが、完全なるギャンブルです。
ギャンブルトレードで運よく勝てる場合もありますが、取引回数が増えるに連れてトータルの損益で見るとマイナスがかさんでいくはずです。
FXトレードからなるべくギャンブル性を排除していくには、チャートや金融経済の動向を分析してトレードの根拠となるとなる要素を1つでも多く増やした上でトレード判断をすることです。
9割が1年以内にFXをやめていて悪い噂が流れがちだから
FXはやめとけと言われる理由4つ目は、FXを始める人の9割が1年以内に相場を退場しており、退場者が悪い噂を流すからです。
金融先物取引業協会の発表によると、取引実績のある口座のうち取引を継続しているのは10%ほど。つまり残りの90%はFXをやめてしまっていることが分かります。
FXをやめる理由はいくつか考えられますが、儲かっていればやめる必要はないでしょうから、9割は損失を出してやめてしまったのではないかと想定できます。
FXをやってみた人の大半が損をしているため、FXに関する噂の大半が「FXはやめとけ」という内容になるのも無理ありません。
FXで借金を作っている人が多いから
FXはやめとけと言われる理由5つ目は、FXで借金を作ってしまう人が多いからです。
FX取引をするに当たって考えられる借金は大きく2種類。
- 損切りや強制ロスカットが間に合わず口座残高以上の損失が発生した
- FXの取引資金のために自主的に借金をした
FXのレバレッジの仕組み上、自己資金よりも大きな金額を運用できます。裏を返せば予想に反した動きをしたら自己資金よりも大きな損失が出る可能性もあるわけです。
基本的には口座残高以上の含み損になる前に強制的にロスカット(損切り)されるようになっていますが、相場急変動によって注文が殺到するとロスカットが間に合わないことも。
例えば過去のスイスフランショックやリーマンショックなどでは急激な相場変動によって強制ロスカットが間に合わず、多額の借金を抱えるトレーダーが発生しました。
相場急変による借金を避けるにはレバレッジを抑えて取引をすることや1回のポジション保有時間を短くすることなどの対策があります。
いずれにしてもFXで借金をしてしまうのは、FXのレバレッジを活かして狙える高い利益にばかり目がいってしまっている証拠。
FXには一定のリスクがあることを常に念頭に置いて戦略を練ることが大切です。
FXは本当に危ない?主なリスクをまとめてみた
FXはやめとけという意見の中にはFXが危ない、リスクが高いものと断定しているものもあります。
確かにFXには一定のリスクがありますが、事前に把握して対策を持って臨むことで損失を最小限に抑えることができます。
そこでこの章ではFXの主なリスクを4つ見ていきましょう。
- 強制ロスカットで損失が出る
- 高いレバレッジをかけて損失が出る
- 詐欺の疑いのある海外FX業者を利用して資金が盗まれる
- FXの自動売買ツールを理解していないまま使用して損失が出る
強制ロスカットで損失が出る
FXでは含み損が一定まで増えるとFX会社によって強制的に損切りが行われる強制ロスカットという仕組みがあります。
これは口座残高以上の損失が発生しないように顧客を守るための仕組みです。
強制ロスカットのタイミングはFX会社によって異なりますが、多くの口座では証拠金維持率が50%を下回ると執行されるように設定されています。
例えば、FX口座に20万円の資金がある時に証拠金で5万円を支払ってレバレッジトレードをします。予想に反して値動きした結果、含み損が10万円、現在の口座残高が10万円まで減ってしまうと強制ロスカットとなります。
まだ耐えられる含み損だと思っていても、含み損が一定の割合まで膨らめば自分の意思に反して強制的に損切りされ損失が確定してしまうリスクがあります。
また、一般的に強制ロスカットが行われる前にマージンコールという警告が出されて、証拠金維持率を引き上げるための追加入金(追証)を促されます。
追加入金をして強制ロスカットを免れるケースもありますが、さらに含み損が膨らめば再度追証を支払うことになるリスクもあります。
高いレバレッジをかけて損失が出る
FXにはレバレッジによるリスクが付き物です。
レバレッジは高い倍率をかければかけるほどリスクが高くなります。値動きに対しての損益の変動額が大きくなるからです。
ところが、FXは一攫千金のギャンブルのようなものと捉えている人は損失リスクを無視して高いレバレッジをかけるため、1度は勝ててもすぐに資金を失います。
FXのレバレッジによるリスクは自分でコントロールするものです。FX=ハイリスクというより、FXで高いレバレッジをかけた取引がハイリスクなのです。
詐欺の疑いのある海外FX業者を利用して資金が盗まれる
FX業界には詐欺によって資金を失うリスクもあります。
特に海外のFX業者は危険性が高いです。
日本のFX会社であれば名の知れた大手企業が運営しているFX口座を利用していれば問題ありません。日本の金融庁に登録していて登録番号もホームページから確認できます。
ところが海外に拠点を置くFX会社はそれぞれ色々な国で金融ライセンスを取得しており、中には信頼性の低いライセンスもあります。
名前は初めて聞くけど何だか凄そうだから使ってみようと資金を入れたが最後、資金を持ち逃げされたり出金できなくなるリスクがあるため注意しましょう。
FXの自動売買ツールを理解していないまま使用して損失が出る
FX初心者にありがちなのは、自動売買ツールへの誤解によるリスクです。
FXの自動売買ツールは「自動売買」という名前の通り、自動で取引を行ってくれる便利なものです。しかし、自動で利益を稼いでくれる訳ではありません。
あらかじめ設定した売買ルールに従って売買を行うため、この売買ルールが勝てるものでなければ利益は望めないのです。
FXは相場によって勝てるトレード手法が変わるため、自動売買の売買ルールも相場に沿ってメンテナンスする必要があります。
何もしなくてもほったらかしで稼げると思っていると、損失を出し続けるツールになるリスクがあるため注意が必要です。
実際にFXをやっている人は後悔している?
FXをやめとけと主張する人の大半はFXを経験していない人です。
では、実際にFXをやっている人は本当に後悔しているのか?
FXをやってよかったという声とやめておけばよかったという声の両方を見ていきましょう。
また、なぜ意見が別れるのか理由を深掘りしていきます。
FXをやってよかったと感じている人と理由
FXをやってよかったと感じている人は主に3つの観点を理由に挙げています。
- 利益
- 時間
- 知識
上記の方は初めはほとんど利益がなかったものの半年間継続したことで利益が稼げるようになり、今ではFXをやっててよかったと感じているそうです。
上記の方はバイトと主婦の掛け持ちで時間がなかったものの、FXを始めたことで収益を稼ぎつつも時間が持てるようになったそうです。
初めはFXはやめとけと反対されたものの、やってよかったと記しています。
上記の方は現時点ではFXのトータル収支がマイナスだそうです。
しかし、各国の通貨の値動きや強弱を見るようになり「世界のお金の流れがわかる」ことでFXをやってよかったと感じています。
FXを始めたことで利益を稼げるだけでなく、これまで働いていた時間を他のことに充てられるメリットを感じている方がいます。
仮に利益を稼げない期間があっても世界の政治経済の知識が身につく点も魅力です。
FXをやめておけばよかったと感じている人と理由
FXをやめておけばよかったという理由は様々ですが、どれも元を辿れば損失が原因です。
上記の方はFXで利益を稼げるときもあれば損失を出してしまうときもあるようです。
しかし、利益よりも損失を出してしまうときの感情の沈みが激しく消耗しています。
上記の方は初めのうちはFXで勝てていたものの、リスク管理が曖昧になって大損。さらに過去の含み益を忘れられずに取り返そうとしてさらなる損失を出し、本業も手に付かない状態になっているようです。
FXをやめておけば良かったと感じるのは損失を出している時。しかし、初めのうちは誰しも損失を出してしまうのは当然のことです。
大切なのはリスクを抑えて損失額を最小に留め、経験を積んでトータルの収支で見た時にプラスに転換するよう努めることです。長期目線が大切になります。
FXはぶっちゃけ稼げるの?【低リスクで稼ぐ方法を解説】
例えFXはやめとけと言われるようなリスクがあっても、本当に稼げるなら相応のリスクは取るという方もいるでしょう。
ただ、FXにはリスクを抑えながら手堅く利益を狙う方法もあります。
- 金利が高い通貨を買い続ける
- 為替介入が行われた通貨を空売りする
金利が高い通貨を買い続ける
1つ目は高金利通貨を買い続ける方法です。
一般的に金利が高い通貨は投資需要が高く、買われやすいです。すると通貨の価格も右肩上がりに値上がりしていくことになります。
短期的に見れば上昇と下落を繰り返しているものの長期で見れば上昇しているため、買い続ければ利益になりやすいです。
FX初心者にもおすすめな通貨ペアは以下の記事で解説しています。通貨ペア選びで困っている方は必見です。
為替介入が行われた通貨を空売りする
2つ目は為替介入が行われた通貨を狙う方法です。
直近では日銀による為替介入が記憶に新しく、近い将来また為替介入が行われる可能性もあります。
2022年に複数回に分けて行われた日銀による為替介入は歴史的な円安を問題視したものでした。このためドル売り・円買いを実施し、ドル円は145円台後半から140円台前半まで暴落しています。
しかし、ドル高・円安の本質的な要因である金利差は未だ縮まっておらず、時間の経過と共に再びドル円は上昇。それ以来日銀の介入後の暴落が一服したらドル円を買っておけば自然と元の価格に戻っていく動きを利用して稼ぐことができました。
為替介入は本質的な課題解決にはならないため、介入以前の価格に戻ることを見越して利益を狙えます。
FXをやらない方がいい人はどんな人?
FXには一定のリスクが伴う以上、向き不向きがあります。
「FXはやめとけ」が当てはまる人とそうでない人の特徴をそれぞれ見ていきましょう。
FXをやめた方がいい人の特徴
FXをやめた方が良い人は以下の特徴に当てはまる人です。
- 借金や生活資金を使ってFXをしようとしている人
- FXで絶対に儲かる方法があると思っている人
- 短期的かつ大きな利益を狙っている人
上記のような人は長期的に資金を増やしていこうという余裕が持てず、短期の利益を急いだ結果リスクを取りすぎて大損する傾向にあります。
そうは言っても自分だけは大丈夫だとたかを括っている人ほど、シナリオ通りに失敗しやすいため注意しましょう。
ただ、現時点でFXをやめた方がいい人の特徴に当てはまっていても、次にご紹介するFXが向いている人の特徴に当てはまるように考え方や状況を変えればうまくいく可能性もあります。
FXが向いている人の特徴
FXが向いているのは以下のような特徴の人です。
- 長期的に見てトータルでプラス収支を目指す人
- 余裕資金で始めてみようという人
- 勉強しながら上達していく心構えがある人
- 感情よりも自分で決めたルールを守れる人
短期的な利益に飛びつかず、コツコツ長期目線で努力できる人がFXに向いています。
FXはコツコツ長期目線で取り組める投資のため、副業に向いているとも言えます。副業であれば月5万円ほどを稼ぐことが可能です。
FXに関するよくある質問
FXに関して不安が残らないように、疑問が生じやすい点を3つまとめました。
- 海外FXはやめた方がいい?
- FXと株はどっちの方が難しい?
- FXは途中でやめなければ稼げる?
海外FXはやめた方がいい?
FX初心者は海外FXには手を出さない方が懸命です。
海外FXの中には預け入れた資金を持ち逃げする悪質業者も在り、安全な業者を見極めることに失敗する可能性もあります。
まず初めの口座を選ぶ際は日本の金融庁に登録されている国内FX口座を選びましょう。
FXと株はどっちの方が難しい?
FXと株にはどちらも違う難しさがあるため一概にどっちとは言えません。
ただ、リスクの高さで言えばレバレッジを使えるFXの方が高いと言えるでしょう。
リターンの大きさよりもリスクの高さが怖い方には株式投資をおすすめします。
FXは途中でやめなければ稼げる?
FXは続けていれば必ず勝てるとは言えません。
ただし、続けながら勉強しつつ経験を重ねていけば勝てるようになる可能性はあります。
どんな投資方法でもただ続けるのではなく、試行錯誤しながら自分の勝ちパターンを見つけていくことが大切です。