FXは口座によっては100円単位から取引できる少額投資向きの投資手段です。
また、レバレッジを活用すれば少額資金からでもまとまった利益を狙うこともできます。
では実際にFXを少額から始めてどれぐらいの利益を稼ぐことができるのか?計算方法や目安となる資金量はいくらぐらいか具体例を挙げてシミュレーションしてみました。
FXが少額からの投資に向いている根拠と合わせて、少額からでも稼ぐコツなど幅広くみていきましょう。
- FXが少額から始められることの根拠
- FXの利益計算方法
- トレード手法別の利益シミュレーション
- FXの少額投資のメリット・デメリット
- FXで少額から稼ぐコツ
FXは100円単位の少額から始められる
FXは他の投資と違い、最初からまとまった金額を用意する必要はありません。
通貨ペアは100円単位で注文できます。
FXが少額から始められる理由について下記にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
- 最低取引金額や入金額はFX業者によって異なる
- レバレッジで資金よりも大きな金額を動かせる
最低取引金額や入金額はFX業者によって異なる
FXの最低取引額や最低入金額は業者によって違います。
最低取引金額とは業者ごとに決められている最低取引単位を発注するために必要な金額のことです。
例えば最低取引単位が「1通貨」の場合、ドル円であれば1ドル、ユーロ円であれば1ユーロから取引できることになります。
特にFXを少額投資で始めるなら、最低取引金額が小さいFX業者がおすすめです。
最低取引金額が小さくても1万通貨や10万通貨などの大きな取引にも対応しているため、FXの経験に合わせて取引を増やしていく戦略も立てられます。
最低取引金額はFX業者によって設定が異なるため、FX業者を選ぶ時は必ず最低取引金額をチェックしましょう。
レバレッジで自己資金よりも大きな金額を動かせる
FXで少額投資ができる最大の根拠はレバレッジです。
レバレッジとは口座内の資金を担保に一定の倍率をかけた金額で取引できる仕組みで、国内FX会社では最大でも25倍までと法律で定められています。
例えばFX口座に100,000円入金して25倍のレバレッジを掛けた場合、取引可能金額は2,500,000円分で、取引可能金額を超過しない金額まで注文が可能です。
例えば、10万円の証拠金がある場合は以下のような複数ポジションを保有することも可能です。
- ドル円を1ドル=130円の時に100通貨注文(13,000円)
- 豪ドル円を1豪ドル=90円の時に1通貨注文(90円)
- ユーロ円を1ユーロ=145円の時に10,000通貨注文(1,450,000円)
上記3つの注文が全て約定しても合計は1,463,090円で取引可能金額(2,500,000円)を超過していないため、それぞれのポジションを保有できます。
レバレッジを活用すれば資金が少額でも大きな金額で取引できます。
FXの少額投資で狙える利益を紹介
ここでは、FXの少額投資で狙える利益を資金ごとに紹介します。
- 5,000円で狙える利益
- 1万円で狙える利益
- 5万円で狙える利益
5,000円で狙える利益
資金が5,000円で狙える利益は以下の通りです。
レバレッジ1倍 | レバレッジ5倍 | レバレッジ25倍 | |
1pips(0.01円) | 約0.44円 | 約2.2円 | 約11円 |
5pips(0.05円) | 約2.2円 | 約11円 | 約55円 |
10pips(0.1円) | 約4.4円 | 約22円 | 約110円 |
20pips(0.2円) | 約8.8円 | 約44円 | 約220円 |
一回の取引で最大数百円の利益しか出ませんが、リスクが少なく取引の練習には最適でしょう。
1万円で狙える利益
資金が1万円で狙える利益は以下の通りです。
レバレッジ1倍 | レバレッジ5倍 | レバレッジ25倍 | |
1pips(0.01円) | 約0.88円 | 約4.4円 | 約22円 |
5pips(0.05円) | 約4.4円 | 約22円 | 約110円 |
10pips(0.1円) | 約8.8円 | 約44円 | 約220円 |
20pips(0.2円) | 約17.6円 | 約88円 | 約440円 |
レバレッジによるものの、1日に数回勝てば1,000円以上の利益を目指せます。1日に1,000円ずつ稼げば1カ月で2万円以上の利益になるため、FXの恩恵を感じやすい資金額です。
5万円で狙える利益
資金が5万円で狙える利益は以下の通りです。
レバレッジ1倍 | レバレッジ5倍 | レバレッジ25倍 | |
1pips(0.01円) | 約4.4円 | 約22円 | 約110円 |
5pips(0.05円) | 約22円 | 約100円 | 約550円 |
10pips(0.1円) | 約44円 | 約220円 | 約1,100円 |
20pips(0.2円) | 約88円 | 約440円 | 約2,200円 |
レバレッジを高く設定すれば1日で1万円以上の利益も目指せる資金額です。ただし、ハイレバレッジでの取引はリスクも大きいため、慎重に検討しましょう。
FX少額投資の利益を計算する方法
FXは少額投資が出来ますが、実際にどのくらい利益が出るのか紹介します。
例えば証拠金10,000円でレバレッジ25倍で取引する場合、取引可能金額は250,000円分です。
豪ドル円が1豪ドル=90円だとすると、証拠金10,000円では2,777通貨(249,930円分)まで購入できるため、豪ドル円を取引量最大まで購入したとします。
その後豪ドル円の価格が1豪ドル円=91円にあがった場合、保有している豪ドル円の価値は以下の通りです。
2,777通貨×91円=252,707円
つまり252,707円-249,930円=2,777円が証拠金10,000円を使ってFXであげた利益になります。利率で言えば27%超ですね。
ただし、価格が上昇しただけでは利益は確定しません。
FXの利益を確定するには保有しているポジション(今回の例で言えば2,777通貨)を売却する必要があります。
保有しているポジションを手放すことを「決済」と言い、決済注文が約定されて1トレードが終了です。
上記例のように、FXはレバレッジを使って投資をするため、少額から始めても十分利益を作り出せます。
FXを少額から始める場合の利益シミュレーション
FXを少額から始めようと考えている人に向けて、ここではいくつかのトレードスタイル別に利益シミュレーションを紹介します。
FXの利益はトレードスタイルによって狙える利益や特徴が違うため、自身のトレード戦略の参考にしてください。
なお、条件を統一するために「証拠金10,000円でレバレッジ25倍」を前提としてシミュレーションを紹介します。
- デイトレードでの一日の利益
- スイングトレードでの一ヶ月の利益
- 長期保有での利益
デイトレードでの一日の利益
デイトレードとは1日以内にエントリーから決済までを済ませるトレードスタイルです。
1日当たりのトレードスタイルは値動きによって変わりますが、激しく動く相場であれば1日3〜5回ほどトレードするのも珍しくありません。
例えば1ドル=130円の時に10,000通貨のロングエントリーをしたあとに1ドル=130.5円になった場合、利益は5,000円になります。(1,305,000円-1,300,000円)
同様の値動きが5回発生し、全てで取引すれば1日の利益は5,000円×5回=25,000円です。
1ドル130円のドル円を10,000通貨取引すると130万円分の取引となり、最大限のレバレッジ25倍を利用できたとすると最低で52,000円の資金が必要です。ただし最大レバレッジで取引するのはリスクが高いため、余裕を持った資金を用意しましょう。
デイトレードをする時は主に15分足や1時間足チャートを中心に値動きをチェックします。
エントリーから決済までの時間が短い分早く利益確定できるため、昼間本業が忙しい会社員や副業の1つとしてFXを考えている人におすすめのトレードスタイルです。
スイングトレードでの一ヶ月の利益
スイングトレードは1回のトレードが数日から数週間ほどかかるトレードスタイルです。
デイトレードよりもポジション保有期間が長いため、より大きな利益を狙います。
具体的には1ドル=130円から上昇すると分析した場合、1ドル=132〜135円あたりがスイングトレードの利益の狙い目です。
1ドル=130円で10,000通貨をエントリーして135円までポジションを保有した場合、50,000円の利益が獲得できます。(1,350,000円-1,300,000円)
仮に上記トレードに一週間かかった場合、一ヶ月で同じようなトレードを繰り返せば50,000円×4週=200,000円の利益が手に入る計算です。
スイングトレードで取り組むなら、トレード中の値動きに一喜一憂しないよう注意しましょう。
通貨の値動きは常に一方向に進むのではなく、上昇と下落を繰り返しながら少しずつ動いていきます。
上記の例でいえば、1ドル=130円でエントリーして1ドル=135円になるまで、価格は何度も上昇と下落を繰り返していくため、ちょっとした値動きに反応しているとメンタルが持ちません。
「1ドル=128円を下回ったら損切りする」
「上昇しても反転して1ドル=131円を下回ったら決済して撤退する」
などのように、スイングトレードでは目標利益に到達できなかった場合のシナリオをいくつか用意しておく必要があります。
スイングトレードは少額で投資してもまとまった利益が稼げる一方、中長期的な目線と分析が必要なため、FX初心者がいきなり手を出すのはハードルが高いかもしれません。
長期保有での利益
長期保有は数ヶ月から1年間ほどポジションを保有するトレードスタイルです。
1度エントリーしてから決済するまで長い期間ポジションも持ち続けるため、年間のトレード回数は決して多くありません。
長期保有でトレードする場合、狙う利益は10円以上離れた価格になるのを見越してトレードします。
例えば1ドル=130円の時に10,000通貨をロングエントリーした場合、目標利益は140〜150円ほどです。
仮にエントリーしてから6ヶ月後に1ドル=150円になった場合、得られる利益は200,000円になります。(1,500,000円-1,300,000円)
1回のトレードで証拠金を超える利益を得られるのが長期保有の最大のメリットです。
ただし長期保有でトレードするには、長期的なスパンでの値動きを予測しなければいけません。
チャートも週足や月足など長期足を使って分析するうえに、世界の経済情勢も加味した値動きの分析が求められるため、FX初心者がいきなり長期保有でレバレッジをかけてトレードしようとすると高確率で失敗します。挑戦する場合はレバレッジはあまり使わずに現物取引の方が良いかもしれません。
また長期保有でトレードする場合「スワップ」も意識しなければいけません。
スワップとは取引している通貨ペアの金利差で、エントリーの方向によっては金利差による損失が発生します。
ドル円で例えるなら、2023年5月時点で円よりドルの方が金利が高いです。
そのためドル円のロング(買い)ポジションを持ち続ければ、スワップによる利益が発生します。
しかしドル円のショート(売り)ポジションを持ち続けると、スワップによる損失が発生し、金利差による差損分を支払わないといけません。
長期保有で少額投資をするなら、経済情勢や為替が動く仕組みを深く理解し、スワップなどの影響を考えられるほどFXの経験や知識がついてから取り組みましょう。
FXの少額取引をする場合におすすめのFX口座
FXを始めるにはFX業者で口座を開設する必要がありますが、少額投資から始めるなら開設するFX業者はしっかり選ばないといけません。
FX口座は運営している企業によって細かい違いがあります。
FXで少額投資をするなら次の3つのポイントを押さえたFX業者を選びましょう。
- 最低取引単位が小さい
- スマホアプリが使いやすい
- スプレッドが狭い
最低取引単位が小さい
FXを少額から始めたいなら、最低取引単位が小さいFX業者を選びましょう。
具体的には最低取引単位が「1通貨」から取引できるFX業者がおすすめです。
ドル円であれば約130円から取引を始めることができます。
FX初心者のうちは自身のトレードスタイルが確立していなかったりFXの経験やスキルが乏しいことで、思うように資金を増やすことは難しいかもしれません。
このため最低取引単位の小さい業者で少額ずつ取引を始めれば、何度失敗してもFX取引を継続できます。
FXのスキルやトレードルールの確立に自信がないなら、最低取引単位が小さいFX業者で口座を開設しましょう。
スマホアプリが使いやすい
FXを少額投資で始めたいならスマホアプリの使いやすさも考えて選びましょう。
FXはインターネットに接続できればどこでも取引できます。
自宅にいる時はパソコンを使って取引すれば良いですが、外出先で取引するにはスマホアプリを使うのが基本です。
FX業者によってはスマホでFX取引をしやすいように、公式のスマホアプリを提供しているところもあります。
しかしスマホアプリが使いにくいと、いざという時に操作ミスでトレードチャンスを逃したり、損失を出すきっかけになりかねません。
FX業者を選ぶ時はスマホアプリの有無はもちろん、使いやすさもチェックしましょう。
スマホアプリの使いやすさはFX業者の公式サイトにあるスマホアプリの画面を確認したり、口コミサイトなどでリサーチすればある程度把握できます。
また、一度口座を開設して実際にスマホアプリを使ってみるのもおすすめです。
スプレッドが狭い
FXで少額投資を始めるならスプレッドが狭いFX業者を選びましょう。
FX取引をする時に「買い」か「売り」かを選択しますが、どの通貨ペアを見ても必ず「買値」と「売値」に若干の差があります。
買値と売値のわずかな価格差がスプレッドです。
例えばドル円が「1ドル130円18銭から20銭」だった場合は以下の解釈になります。
- ドル円をロングエントリーする時は1ドル130円18銭でポジションを持ち、1ドル130円20銭からスタート(2銭分損をしている状態)
- ドル円をショートエントリーする時は1ドル130円20銭でポジションを持ち、1ドル130円18銭からスタート(2銭分損をしている状態)
スプレッドが狭いとエントリーした価格から取引で利益を出すまでの値動きが小さく済むため、FX取引に有利です。
反対にスプレッドが広いと、取引で利益が出るまで大きな値動きが必要になるため、利益が出しにくくなります。
スプレッドはFX業者によって任意に設定できるため、できるだけスプレッドが狭いFX会社を選びましょう。
FXを少額から始める3つのメリット
FXを少額投資で始めるためには少額投資に適したFX業者で口座を開設するのが重要です。
国内にはさまざまなFX業者がありますが、中でも次の3つは小額投資におすすめなので、興味があればぜひ口座を開設してください。
- GMOクリック証券
- SBI FXトレード
- 松井証券
GMOクリック証券
項目 | 特徴 |
---|---|
最低取引単位 | 1,000通貨 |
取引手数料 | 無料 |
スプレッド | ドル円:0.2銭(例外あり)ユーロ円:0.5銭 |
取扱通貨ペア | 20通貨ペア |
GMOクリック証券はさまざまなFX口座ランキングで1位を獲得しているFX業者です。
最低取引単位は1,000通貨のため少額投資には多少不向きに感じるかもしれませんが、スプレッドが狭く取引手数料も無料のため、取引に関するコストを気にする必要がありません。
スマホアプリもレート、チャート、経済ニュース、注文画面がスワイプ操作で簡単に切り替え可能です。
GMOクリック証券はパソコン版のチャートも使いやすさが好評のため、スマホでの取引のしやすさを重視するなら一番のおすすめ口座です。
SBI FXトレード
項目 | 特徴 |
---|---|
最低取引単位 | 1通貨 |
取引手数料 | 無料 |
スプレッド | ドル円:0.02銭(例外あり)ユーロ円:0.3銭 |
取扱通貨ペア | 34通貨ペア |
SBI FXトレードはFXで少額投資をするならおすすめのFX業者の1つです。
最低取引単位も1通貨から取引できるため、取引にかけるお金を最小限に抑えられます。
SBI FXトレードではスプレッドだけでなく約定力も高く、経済指標発表後の乱高下している時でもスムーズな約定が可能です。
取扱通貨ペアも34種類と多いため、気になる通貨ペアで取引できます。
スプレッドもドル円で最小0.02銭とかなり狭く取引手数料も無料のため、短期売買やデイトレード中心に少額投資する人におすすめです。
松井証券
項目 | 概要 |
---|---|
最低取引単位 | 1通貨 |
取引手数料 | 無料 |
スプレッド | ドル円:0.2銭(例外あり) ユーロ円:0.5銭 |
取扱通貨ペア | 20通貨ペア |
松井証券は「100円からできる」「はじめるための、FX」というキャッチコピーで、FXのハードルを低くするようなサービスを提供しているFX業者です。
具体的には最低取引単位を1通貨にして気軽に取引できるようにしたり、自動でレバレッジ調整できる機能によって面倒なレバレッジ調整を任せられます。
もちろんスプレッドも狭く、取引手数料も無料のため、トレードに関するコストを考えて取引する必要はありません。
松井証券では口座開設者のみが閲覧できるセミナー動画もあるため、基礎からFXの勉強したいならおすすめです。
FXを少額から始める3つのデメリット
FXを始めるのにまとまった資金を用意する必要はなく、FXは少額からでも始められます。
FXを少ない資金で始めるのには以下のメリットがあるため、FXにチャレンジしたいならぜひ参考にしてください。
- 損失を限定してFX取引の練習ができる
- 初心者でも安心して始められる
- 精神的にリラックスして取引できる
- 大きな利益を稼ぐのは難しい
- 適当なトレードになりやすい
- 精神のトレーニングにはなりづらい
メリット:損失を限定してFX取引の練習ができる
FXを少額から始めると、損失を最小限に抑えつつトレードができるため、リアルトレードの練習ができます。
FXは通貨を売買して差額で利益を出す投資ですが、レバレッジによって取引金額を膨らませて取引するため、証拠金が少なくても大きな取引が可能です。
例えばレバレッジ25倍の口座に100,000円の証拠金を入れれば、最大で2,500,000円分のFX取引ができます。
2,500,000円分の取引をして万が一失敗しても、なくなるのは最大でも証拠金として口座にいれた100,000円分のみで、2,500,000円の損失を抱えるわけではありません。※突発的な相場変動による追証は除く
FXは実際の資金を使ってトレードする「リアルトレード」と架空の資金を使ってトレードする「デモトレード」の2種類がありますが、リアルトレードはデモトレードにはない緊張感やプレッシャーがあります。
リアルトレードならではの緊張感やプレッシャーを経験するには、実際に資金を使ってトレードする必要があるため、最初は少額からFXを始めましょう。
メリット:初心者でも安心して始められる
FXを始めるのにまとまった資金が必要ないため、初心者でもかんたんに始められます。
FX以外の投資を始めるには少なくとも百万円ほどの資金が必要ですが、FXはレバレッジをかけて取引するため、数万円あれば十分です。
初期資金が少なければ万が一失敗しても再度お金を貯め直して仕切り直しができるため、失敗を恐れずチャレンジしても大きな損失になりません。
1,000円や2,000円、あるいは業者によっては100,000円ほどあればFXを始められますし、複利で運用していけばまとまった資金になります。
投資初心者にこそFXがおすすめです。
メリット:精神的にリラックスして取引できる
投資での成功の秘訣はリスクコントロールや、安定した精神状態で取引を続けることです。
しかし投資でいきなり大きな金額を運用すると、失敗した時の不安に押しつぶされて、冷静な判断ができなくなる人も少なくありません。
例えば1,000,000円で投資を始めたものの、失敗して全額失った未来を考えるとついつい投資に消極的になりがちです。
投資は「負けないこと」が大事ではあるものの、チャンスが来たら覚悟を決めて資金を投下しないと利益は一向に増えません。
FXは数万円から始められる分、他の投資に比べて失敗した時のリスクや不安を小さくできます。
同じ投資失敗による損失でも1,000,000円と数万円とでは、損失時のショックは数万円の方が小さいですし、立ち直りも早いでしょう。
FXで利益を出すには常に損をするリスクや不安と戦わなければいけません。
FXを少額で始めれば投資をする時に必ず抱える不安やリスクを必要以上に抱えずリラックスして取り組めます。
デメリット:大きな利益を稼ぐのは難しい
預けた証拠金が少ないと、1回のトレードで大きな利益は期待できません。
なぜならFXは証拠金によって1回のトレードで購入できる取引量(ロット)が変わるからです。
例えば1ドル=130円の時にレバレッジ25倍でFXをする場合、証拠金が100,000円だとロット数は1.9しか保有できません。
しかし証拠金が1,000,000円ならばロット数は19.1まで保有できます。
ロット数が多ければ多いほど思い通りに値動きした際に得られる利益が大きくなるため、少額でFXをしていても思うように資金は増えません。
ロット数が多いと取引に失敗した時のリスクも大きくなる側面はありますが、少額で取引しても少ないトレード回数で資金を大きく膨らますのは難しいです。
少額でのトレードに慣れてきたら少しずつ証拠金を増やしたり、獲得した利益を再投資して複利運用しましょう。
デメリット:適当なトレードになりやすい
FXを少額でするとトレード失敗する時の損失が小さく済むため、投資にかかる精神的負担が少ないメリットがあります。
しかし精神的負担が少なく負けても損失が小さいため、雑なトレードをしがちです。
例えば経済情勢をよく考えず、値動きにつられて売買してしまったり、明確な根拠を持たずにエントリーして失敗を繰り返したりする人もいます。
FXで利益を出すのならトレードで失敗した時に「なぜ失敗したのか?」を考えるのが重要です。
しかしFXをゲームやギャンブル感覚で取り組むと目先の結果だけを考えてしまい、自分が行ったトレードの根拠や反省をしないため、一向にお金が増えません。
同じ失敗を繰り返していては、いかに損失が小さくても徐々に資金が減っていき、気が付いたら追証を求められるケースも少なくありません。
FXで資金を増やしたいなら少額であっても「お金が減るリスク」を常に意識して取り組みましょう。
デメリット:精神のトレーニングにはなりづらい
FXを少額で始めれば、失敗した時のリスクが小さいため精神的負担を小さく抑えながら取引ができます。
しかし少額で取り組むFXばかり取り組んでいると一向に利益が増えないだけでなく、大きな金額を使った取引をするためのメンタルが養われません。
FXは取引する金額が大きければ大きいほど利益も大きくなる反面、失敗した時のリスクも大きくなります。
大金を動かすメンタルを持っていないと「失敗したらどうしよう」という不安に押しつぶされて、冷静な取引ができません。
自身のトレードスタイルさえ確立していれば、あとは取引量(ロット)を上げていくだけでFXで大きな利益を得られます。
FXを少額で取り組むのは自身のトレードスタイルが確立するまでで、トレードルールがハッキリしてきたら少しずつ取引量を増やしてメンタルを鍛えましょう。
FXの少額から初心者が稼ぐ3つのコツ
FXは小額から始められる投資ですが、ただ小さい金額で投資をすればいいわけではありません。
少額のままFXを続けても利益は増えづらいため、FX経験やスキルによってステップアップして、FXで効率よく資金を増やしていきましょう。
FXを少額で投資するコツとして次の3つを紹介します。
- 取引を重ねながら投資ルールを調整し確立していく
- 少額でも損切りをおろそかにしない
- 少額でもある程度の利益を狙いたいなら短期売買
取引を重ねながら投資ルールを調整し確立していく
FXを始めて間もない時期に大きな金額で取引すると、失敗した時に大きな損失を被るため、できるだけ少額から始めるのが鉄則です。
FXを少額投資する時に「自身のトレードルール」を作ることを意識して取引しましょう。
具体的には以下の項目が決められると良いです。
- どの通貨ペアで取引するか?(複数の通貨ペアを使うのもアリ)
- メインで使う時間足チャートはどれか?(複数の時間足を使うのもアリ)
- 利幅はどのくらいを狙うのか?
- エントリーする時にどんなルールを設けるか?
- 資金の何%を使って投資するか?
特に「5.資金の何%を使って投資するか?」は非常に重要で、FXで資金が増えていく速度や失敗した時の損失額に大きく影響します。
FXは資金さえあれば何度でもチャレンジできるため、あまり欲張らず、失敗しても冷静さを忘れない程度の金額を使ってFXに挑みましょう。
FXを少額投資する時に上記5つのポイントを意識しながら取り組むと、より早くFXで大きな資産を築けます。
少額でも損切りをおろそかにしない
少額で投資をする時でも、必ず損切りする意識を持ちましょう。
損切りはFXで稼ぐための必須スキルで、損切りをせずにFXで利益を出せる人はほぼいません。
損切りを入れないと含み損が増えていき、いずれ強制ロスカットになります。
強制ロスカットとは業者ごとに定められているロスカット水準を割ると強制的に損切り決済される仕組みです。
エントリーしたポイントからどれぐらい逆行したら損切りするのか、あらかじめ値幅で決めておきましょう。どうしても少額だと金額に緊張感がないため損切りを疎かにしてしまいがちです。しかし、将来的に大きな資金でトレードしても勝てるトレーダーになりたいなら、少額でも条件を変えずにトレードに励むべきです。
常にチャートをチェックできるなら問題ありませんが、チャートから目を離す機会が多いならエントリーと同時に逆指値注文で損切り注文を入れておきましょう。
少額でもある程度の利益を狙いたいなら短期売買をする
FXを少額投資で取り組むと利益が増えにくいデメリットがありますが、トレードスタイルを工夫すれば少額から始めても資金を増やせます。
特にスキャルピングなどの短期売買は少額投資でも効果的です。
スキャルピングとは短期間に何度も取引をするトレードスタイルで、1日に10回前後の取引を行います。
1回のトレード利益は小さいですが1日に何度も取引するため、結果的にまとまった利益が1日で獲得できます。
トレード回数が多くなって取引手数料などトレードに関するコストがかかりやすいですが、短期で利益を積み重ねられるため、FX初心者におすすめのトレードスタイルです。
少額投資でもある程度まとまった利益がほしいならスキャルピングトレードで始めてみてください。
ただし、FX口座によってはスキャルピングが禁止されているため、口座選びの際には注意しましょう。
FX少額投資のよくある4つの失敗と注意点
FXでの少額投資はメリットが多くFX初心者でも安心で始められる取引方法です。
しかし間違った方法で取り組むと少額取引のメリットが無くなり、大きなリスクを背負う可能性があります。
FXの少額投資を始める前に、下記の注意点を意識して始めてください。
- レバレッジをかけすぎる
- 損切りがおろそかになる
- 感情に左右されて取引する
- 利益が稼げる可能性ばかりに目がいく
レバレッジをかけすぎる
FXではレバレッジを最大25倍までかけられます。
レバレッジを高くすれば証拠金が少額でも大きな金額でFX取引ができるためハイレバレッジで取引しがちですが、レバレッジをかけすぎるのも良くありません。
レバレッジを高くすればトレードに失敗した時の損失も大きくなるからです。
自身のトレードスタイルやトレード手法に絶対的な自信があるならハイレバレッジで取引しても大丈夫ですが、経験や知識が浅いうちはレバレッジを低めにして始めましょう。
特にFXを始めたての頃はトレード経験をつけるため、レバレッジを2倍や5倍に抑えて、失敗した時のリスクが大きくならないよう取引するのがおすすめです。
損切りがおろそかになる
FXで少額投資をするなら損切りをいれる意識は絶対に持ちましょう。
損切りとは一定の含み損を抱えた時にあえて決済して損失を確定する方法で、実際の損失額を大きくならないようにするためのFXスキルです。
FXはエントリーしても決済しなければ損益が確定しないため、含み損を抱えていてもプラスに反転するまで決済しなければ、損失は確定しません。
しかし含み損の金額が一定の水準を上回ると、FX会社が自動的に保有しているポジションを決済して損失を確定させます。
1回の取引で失敗しても次の取引で利益を出せば実質負けはチャラになるため、少額投資をする時こそしっかり損切りして損失を最小限に留めましょう。
感情に左右されて取引する
FXで稼ぐには自身が決めたトレードルールに従って淡々と取り組む必要があります。
しかし相場環境や経済情勢によってルール通りにトレードしても連敗が続くことは珍しくありません。
連敗が続くのはFXに取り組む以上誰でもあり得ますが、連敗によって感情的に取引する人は非常に多いです。
特にFX経験が浅い初心者は連敗によって失った資金をすぐにでも取り返すべく、トレードルールを軽視した取引をして、損失を増やすことも少なくありません。
感情的にFX取引を続けても資金は増えません。
FXに取り組む時はなるべく感情ではなくルールに則って機械的にエントリーや決済(損切り含む)をするのを心がけましょう。
もし連敗が続いて感情的なトレードをしてしまったら、冷静になるまでFXから少し離れるなどして、ベストな精神状態の維持を心がけてください。
気持ちにゆとりがあって精神が安定している状態でFXをすれば、少額から始めても利益を増やしていけます。
利益が稼げる可能性ばかりに目がいく
FXは効率よくトレードできれば、短期間で資金を大きく増やす可能性を秘めています。
少額から始めても1年で資金を10倍以上にできる可能性があるため、一獲千金を狙ってFXを始める人も少なくありません。
しかし現実は勝ちトレードと負けトレードを繰り返しながら資金を着実に増やしていくのがFX投資です。
通貨の動きも誰も予測しないような動きをするケースも多く、必ずしも自分が予想していたような動きをするとは限りません。
「エントリーすれば必ず稼げる」ばかりを考えてFXに取り組むと、資金管理がずさんになったり損切りがおそろかになったりして大きな損失を負うリスクが高まります。
「利益を出すにはどうするか?」を考える以上に「損しないためにはどうすればよいか?」も考えながらFXに取り組みましょう。
そのためにも損切りラインをあらかじめ決めておくことが大切です。
取引ルールを決めずにFXをする
具体的な取引プランを立てずに適当に取引を行ってしまうと、大きな損失を被る可能性があります。そのため、チャート分析をしながら、エントリーや損切りのルールを最低限決めておくことが非常に重要です。
エントリーや損切りの条件を決めずにいると、もし相場が大きく動いた時にうまく対応できなくなり、その時々の勘や運頼みになってしまうでしょう。
以下は取引ルールの例です。
- 損切りラインを決める
- 移動平均線を使ったエントリー方法を使う
- 決済方法も移動平均線を使う
取引ルールの例①損切りラインを決める
損切りを決めるためのルールの一つに、「2%ルール」があります。このルールでは、預けた証拠金に対して2%の損失が発生した場合に損切りを行います。例えば、証拠金が100万円だとすると、2%ルールでは2万円の損失が出た時点で損切りをすることになります。
もし10%の損失を出してしまった場合に連続して5回損失が続くと、証拠金は50万円まで減少します。しかし、2%の損失で切れば連続して5回損失が続いても、証拠金は90万円残ります。証拠金を50%まで減らしてしまうと、同じ取引量での取引ができなくなり、損失を埋めることすらも難しくなります。また、レバレッジを活用している場合はさらに大きな損失を出す可能性もあります。
初めのうちは、損切りラインを2%と決めてみるのがおすすめです。これによって、損失を最小限に抑えられます。
取引ルールの例②移動平均線を使ったエントリー方法を使う
初心者の方は移動平均法がおすすめです。移動平均法では、25日移動平均線(短期線)が75日移動平均線(中期線)を下から上に抜ける際に交わることを「ゴールデンクロス」と呼びます。
ゴールデンクロスの後は価格が上がる可能性が高いため、買いポジションを持つことで利益を得ることができると言われています。ただし、ゴールデンクロス後に価格が下がってしまうこともあるため、損切りラインを設定しながら目安にして取引することをおすすめします。
取引ルールの例③決済方法も移動平均線を使う
初心者の方におすすめの決済方法は、移動平均線を利用することです。売りのポジションで含み益がある場合には、ゴールデンクロスが現れた時に決済を行います。
一方、買いのポジションで含み益がある場合には、デッドクロスが現れた時に決済を行います。
FXを少額で始める具体的な手順
FXを少額で始める具体的な手順は以下の通りです。
- 口座開設を申し込む
- 書類を提出して審査を受ける
- 口座開設が終わったら入金する
- 実際に取引をする
口座開設を申し込む
FX口座を開設する際は、通常はインターネットを通じて申し込みを行います。スマートフォンやパソコンを使って手続きすることができます。
口座開設フォームに必要事項を入力して情報の確認を行った後、指示に従って進めてください。
書類を提出して審査を受ける
口座開設には、一般的に以下の書類が必要です。
- 口座開設に必要な書類
- 本人確認書類
- マイナンバーカード
- 本人の写真
書類を提出する際は、必ず本人が申し込むようにしましょう。
口座開設が終わったら入金する
審査手続きが正常に完了すると、簡易書留郵便やメールで口座情報が送られてきます。届いた口座情報でログインできれば、口座に取引用の資金を入金しましょう。
FX口座の入金方法には、一般的にクイック入金と通常入金の2つの方法があります。クイック入金なら、ほぼリアルタイムで口座に反映されます。
実際に取引をする
振込完了後には、取引を始めてみましょう。取引したい通貨ペアと取引数量を選び、買うか売るかのポジションを決めると、すぐに取引を行えます。
初めての方は、取引の失敗を恐れることなく経験を積むことが大切です。少額からトレードしてみると良いでしょう。
FXの少額投資に関するよくある質問
最後にFXの少額投資に関する質問や疑問をまとめました。
FXの少額投資について悩みや迷いや分からないことがあるなら、ぜひ下記を参考にしてください。
- FXの最小取引金額はいくらですか?
- FXはいくらから始めるべき?
- SBI証券のFXの最低入金額はいくらですか?
- FXの一枚とはいくら?
- FXの少額投資は危険?
- FXはレバレッジなしでも取引できる?
- FXの最小取引金額はいくらですか?
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FXの最小取引金額は100円から始められます。
ただしFX業者によって裁定取引金額の設定が異なるため、100円から取引を始めたいなら少額投資に対応しているFX業者の口座を開設して始めましょう。
- FXはいくらから始めるべき?
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FXは限りなく少額から始められる投資です。
具体的には5,000円や10,000円から始められるため、株や不動産投資のようにまとまった資金を用意する必要はありません。
FXを始めるにはFX業者の口座を開設する必要がありますが、それぞれ最低入金額が決まっています。
少額投資を始めるなら口座開設したFX業者の最低入金額を基準に少しずつ資金を入金してみてください。
- SBI証券のFXの最低入金額はいくらですか?
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SBI証券の最低入金額は5,000円です。
入金手数料や出金手数料は発生しないため、SBI証券で口座を開設して5,000円だけ用意すればFXを始められます。
- FXの一枚とはいくら?
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FX業者によって違いますが、一般的にFXは一枚(1ロット)=10,000通貨です。
ただし1,000通貨を一枚と数えるFX業者もあるため、詳しくは口座開設したFX業者のホームページからご確認ください。
- FXの少額投資は危険?
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危険ではありません。
むしろまとまった金額を用意して始めるよりも、損失を小さく抑えられるためFX初心者にはおすすめです。
ただし失敗した時の損失が小さいからといって無計画に取引にすると、徐々に資金を減らしていきます。
少額でもしっかり投資計画やトレード戦略を考えながら取り組みましょう。
- FXはレバレッジなしでも取引できる?
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FX業者によってはレバレッジなし(1倍)での取引も可能です。
具体的には、松井証券はレバレッジ1倍での取引に対応しているため、レバレッジをかけずに取引したいなら松井証券で口座を開設して取引を始めましょう。
ただしレバレッジをかけないとトレードに成功しても大きな利益が得られないデメリットもあります。
レバレッジを大きくかけすぎるのもダメですが、少額投資でFXに取り組むならある程度レバレッジをかけて取引しましょう。