米国雇用統計は、米国労働統計局(BLS)が毎月公表する雇用の統計です。発表時刻は米国東部時間の午前8時30分で、日本時間では夏時間の期間が午後9時30分、冬時間の期間が午後10時30分になります。国内のFX業者の多くは、経済指標の発表時にはスプレッドが広がりうると公表しています。この記事では、統計の中身と発表日の確かめ方、各社が公表している発表時の取引条件を整理します。発表後の値動きの予測や売買のタイミングは扱いません。
米国雇用統計で公表される3つの数字
正式な名称は「Employment Situation」で、BLS が月に1回公表します。FXで取り上げられることが多いのは次の3つの数字です。
- 非農業部門雇用者数(NFP):農業部門などを除く雇用者数の前月からの増減
- 失業率:労働力人口に占める失業者の割合
- 平均時給:賃金の前月比・前年比の変化
これらは米国の中央銀行(FRB)が金融政策を決めるときに参照する材料の1つで、FRB は物価の安定と雇用の最大化を目的として掲げています。雇用統計と政策金利、為替レートの関係は一方向に決まるものではなく、同じ結果でもそのときの状況によって市場の受け止め方は変わります。
過去の数値は BLS のサイトで公表されており、記事に書かれた数字より公式の表を確かめるのが確実です。
発表日と発表時刻の確かめ方
雇用統計は「毎月第1金曜日」と説明されることが多いですが、実際の発表日は BLS が年ごとに公表する予定表で決まり、第1金曜日でない月もあります。予定表は BLS の「Employment Situation」の公表予定のページで確認できます。
たとえば BLS の予定表では、2026年の公表日のうち1月9日は第2金曜日、2月11日は水曜日、7月2日は木曜日でした(いずれも米国東部時間の午前8時30分)。
| 期間 | 米国東部時間 | 日本時間 |
|---|---|---|
| 米国の夏時間(3月第2日曜日〜11月第1日曜日) | 午前8時30分 | 午後9時30分 |
| 米国の冬時間(上記以外) | 午前8時30分 | 午後10時30分 |
政府機関の閉鎖などで公表が遅れることもあります。予定は直前に公式のページで確認してください。
国内各社が公表している「指標発表時」の条件
当サイトが記録している各社の公表ページの記載です(確認日は社ごとに2026年8月14日〜9月24日)。
| 社 | 公表ページの記載(要約) |
|---|---|
| DMM FX | 経済指標発表時・相場急変時・流動性低下時は拡大しうる |
| GMOクリック証券 FXネオ | 重要指標発表時間帯などは拡大する場合がある |
| SBI FXトレード | 重要指標の発表前後には拡大する場合がある(同社FAQ) |
| みんなのFX | 経済指標発表時の急変動などは例外的に拡大する |
| LIGHT FX | 重要な経済指標の結果発表時は例外 |
| JFX | 経済指標発表時等の例外的な事象ではスプレッドが広がり、約定結果が掲載スプレッドと合致しない場合がある |
| ヒロセ通商 LION FX | 同上(経済指標発表時等にスプレッドが広がる場合がある) |
| OANDA証券・三菱UFJ eスマート証券 FX・松井証券 MATSUI FX | 当サイトの記録には指標発表時についての記載を確認していない(記載が無いという意味ではない) |
どの社も、指標の発表時にどこまで広がるかの上限は公表していません。つまり発表時のスプレッドは、掲載値(USD/JPY で0.2銭など)では見積もれません。
発表をまたいで注文を置いておくときの仕組み
- 指値注文:指定した価格かそれより有利な価格で約定します。価格がその水準に届かなければ約定しません
- 逆指値注文(損切りなど):指定した価格に届いたときに成行で発注されるのが一般的な仕組みで、値動きが急なときは指定した価格より不利な価格で約定することがあります(スリッページ)
- ロスカット:証拠金維持率が水準を下回ると決済されますが、急な値動きでは水準より不利な価格になることがあります。水準は社ごとに違います(証拠金の計算方法)
注文の種類ごとの約定のしかたは、各社の取引ルールのページに書かれています。使う社のルールを確認してください。
発表の前に確かめておくこと
- BLS の予定表で、その月の発表日と日本時間の時刻
- 保有しているポジションの数量と、ロスカットの水準までの値幅
- 置いている逆指値注文が、スリッページで不利に約定した場合の損失の大きさ
- 使っている社が、指標発表時の条件をどう公表しているか(上の表)
FRB の政策金利と為替の関係はFXと金利差の関係、FOMC についてはFOMCとFX相場への影響で扱っています。
出典
- 米国労働統計局(BLS)Employment Situation の公表予定
- BLS Current Employment Statistics(非農業部門雇用者数)
- FRB:金融政策の目的
- 各社の指標発表時の条件:各社の公表ページ(取得元と確認日は各社名のリンク先の業者ページに記載)