FXのスワップポイントは、取引する2つの通貨の金利差をもとに各社が決めています。金利の高い通貨を買って低い通貨を売る向きなら受け取り、逆なら支払いになります。この記事では、金利差からスワップを計算する式と、当サイトが記録している各社の実際のスワップを並べ、両者がどのくらい一致するかを示します。金利の先行きや為替レートの見通しは扱いません。
金利差とスワップポイントの関係
通貨ペアを買うことは、一方の通貨を持ち、もう一方の通貨を借りることと同じ形になります。持っている通貨の金利を受け取り、借りている通貨の金利を払うので、その差がスワップポイントの考え方の土台です。
金利差から1日あたりのスワップを見積もる式は次のとおりです。
取引金額(円)× 金利差(年率)÷ 365 = 1日あたりの理論値(円)
たとえば USD/JPY を1万ドル、為替レート1ドル=150円(仮定)、金利差を年3%(仮定)とすると、1,500,000円 × 3% ÷ 365 ≒ 123円 になります。
実際のスワップは、この理論値そのものではありません。各社は金融機関との取引(カバー取引)の条件などを踏まえて決めており、同じ日・同じ通貨ペアでも社によって値が違い、買いと売りで絶対値も違います。
実際のスワップはいくらか(当サイトの記録)
2026年9月18日(付与日数1日の日)の値です。1万通貨あたり・円で、各社が公表するスワップカレンダーから当サイトが取得しました。
| 通貨ペア | DMM FX 買い | DMM FX 売り | SBI FXトレード 買い | SBI FXトレード 売り |
|---|---|---|---|---|
| USD/JPY | 115 | −118 | 115 | −123 |
| GBP/JPY | 154 | −157 | 151 | −161 |
| AUD/JPY | 94 | −97 | 91 | −101 |
| EUR/JPY | 76 | −79 | 61 | −71 |
| TRY/JPY | 24 | −27 | 23 | −31 |
| MXN/JPY | 13 | −16 | 記録なし | 記録なし |
表の値から読み取れることは次のとおりです。
- 買いの受け取りより、売りの支払いが大きい:どの通貨ペアでも、同じ社の売りの絶対値は買いより3〜10円大きくなっています
- 社によって差がある:EUR/JPY の買いは、DMM FX が76円、SBI FXトレードが61円でした
- 「1万通貨」の取引金額は通貨ペアで大きく違う:1万ドルと1万トルコリラ・1万メキシコペソでは円に換算した取引金額がまったく違うため、この表の円の額をそのまま「金利差の大きさ」として比べることはできません。比べるときは、取引金額あたりの割合に直します
他の社・他の日付の値はデータから取り出せます。日ごとの動きは豪ドル円のスワップの記録でも扱っています。
実際の値を年率に直す
上の式を逆に使うと、実際のスワップが取引金額の年何%にあたるかが分かります。
1日あたりのスワップ × 365 ÷ 取引金額 = 年率
USD/JPY の買い115円で、為替レートを1ドル=150円(仮定)とすると、115 × 365 ÷ 1,500,000 ≒ 2.8% です。為替レートの仮定を変えれば割合も変わるので、実際に計算するときは取引時点のレートを使ってください。
名目金利と実質金利
スワップの元になるのは、中央銀行の政策金利や短期金利といった名目の金利です。一方、物価の上昇を差し引いた「実質金利」は、名目金利からインフレ率を引いて考えます。名目金利が3%でもインフレ率が2%なら、実質金利は1%です。為替レートの説明では実質金利の差が使われることもありますが、スワップの計算に使われるのは名目の金利です。
政策金利はどこで確かめるか
政策金利は各中央銀行が決め、決定のたびに公表します。数字は変わるため、この記事には現在の値を書きません。次の公式ページで確認してください。
- 米国:連邦準備制度理事会(FRB)の FOMC のページ
- 日本:日本銀行の金融政策のページ
- ユーロ圏:欧州中央銀行(ECB)
- 英国:イングランド銀行(BOE)
- 豪州:オーストラリア準備銀行(RBA)
過去の例として、FRB は2022年3月から2023年7月にかけて、フェデラルファンド金利の誘導目標を0.00〜0.25%から5.25〜5.50%まで引き上げました(FRB の公表)。会合の日程は各中央銀行が年初に公表しており、FOMC についてはFOMCとFX相場への影響で扱っています。
金利差を目的に保有するときの注意
- スワップは毎日変わる:金利差が同じでも、各社が日ごとに値を決めています。過去の値が続く保証はありません
- 為替レートの値動きのほうが大きい:USD/JPY を1万ドル持つと、1円の値動きで損益は1万円変わります。1日115円のスワップの約87日分です
- 金利差が縮むと受け取りも減る:政策金利が変わると、スワップも変わります
- レバレッジ:国内では個人の取引は最大25倍までです。ロスカットの水準は社ごとに違います(証拠金の計算方法)
保有日数とスワップの関係はスイングトレードの記事にまとめています。