「約定力の高い業者を選ぼう」とよく言われます。ところが、約定率を数字で公表している会社はごくわずかです。当サイトが10社の公表ページを調べたところ、約定率の数値を出していたのは2社だけでした(2026-08-29時点)。この記事は、約定率とは何か、公表された数字をどう読むべきかを整理します。
一言でいうと
約定率とは、出した注文が意図したとおりに成立した割合のことです。成行注文を出しても、相場が動いていれば注文が通らなかったり、想定と違う価格で成立(スリッページ)したりします。約定率が高いほど、注文どおりに取引が成立しやすい、という指標です。
仕組み:注文が「通る」「滑る」「弾かれる」
成行注文を出すと、3つの結果があり得ます。指定に近い価格で成立(約定)、不利な価格で成立(スリッページ)、価格が動きすぎて不成立(リクオート等)です。約定率は、このうち成立した割合を各社が自社で集計した数字です。
よくある3つの誤解
誤解1「どの会社も約定率を公表している」。実際には数字を出す会社は少数です。多くはスリッページの用語解説ページを持つだけで、自社の実績値までは載せていません。
誤解2「99%台の数字をそのまま比べられる」。公表値はいずれも自社調査で、集計期間も対象注文も会社ごとに違います。数字の大小だけで優劣は決められません。
誤解3「約定率が高ければ必ず有利」。約定率は成行注文の成立割合であり、スプレッドの狭さや取引コストとは別の指標です。1つの数字だけで業者は選べません。
実例:公表していたのは2社、しかも条件が違った
10社のうち約定率の数値を公表していたのは2社でした。1社は99.99%(JFXが公表)、もう1社は99.9%(みんなのFXが公表)です。数字だけ見れば近く見えます。
しかし読むと条件が違います。一方は調査期間を2026年4月1日〜4月30日と明記していますが、もう一方は集計期間の値が本文に入っていませんでした。両社とも対象は「成行注文(スリッページ設定された注文を除く)」で、滑りを許容しない設定の注文は数えられていません。公表した会社自身も「上記の約定率を保証するものではない」と注記しています。期間も条件も違う自社調査の数字は、並べて優劣を読むものではありません。
公表値を読むときに確かめる3点
約定率の数字を見たら、次を確認してください。いつの調査か(相場が荒れた月と穏やかな月では変わります)、どの注文が対象か(スリッページ許容の有無で母数が変わります)、誰が測ったか(自社調査か第三者か)。この3点が揃わない数字は、参考値として扱うのが安全です。
数字を出していない社をどう考えるか
約定率を公表していないことは、約定力が低いことを意味しません。多くの会社は数値ではなく、スリッページの仕組みや注文方法の説明で対応しています。数字が無い場合は、デモ口座で実際の約定を試すか、注文方法の説明を読んで判断するのが現実的です。
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この記録の出典と限界
約定率の数値と条件は、2026-08-29に取得した各社の公表ページから確認できたものだけを記載しています。当サイトが約定を実測したものではなく、各社の公表内容の記録です。公表ページは各社の都合で変わるため、日付を確かめてください。